#ラグビー分析座談会 イングランドの敗戦を復習

初めてのラグビー分析座談会 on Clubhouseは、とても新鮮でした。

映像とライブスタッツを同時に見ながら、他のアナリストの視点も借りながら、ゲームの状況を読み解く。一人で見るよりも、記憶に残りますね。

さて、その試合を少し復習しておこうと思います。

England v Scotland stats上がポゼッション、下がテリトリーです。

イングランドのポゼッション38%は低く感じますが、イングランドはもともとポゼッションが低いゲームをこれまでもしてきており、2020年のアイルランド戦では35%で勝利を納めています。

ただし、そのアイルランド戦の日野のテリトリーは72%もありました。これに比べると、先週のスコットランド戦の42%はイングランドには低い数字です。

次にキックの数を見てみます。

England kick in 6Nこちらは過去3年における、イングランドのシックスネーションズでのキック数の比較です。

赤がイングランド、青は対戦相手。(ただし、大差となりやすいイタリア戦は抜いています)

これを見ると、キックの数で相手を下回ると、イングランドは勝てていないことが分かります。

先週もスコットランド43本、イングランド35本でした。

なお、アナリストSさんの情報によると、2020年のシックスネーションズ全試合においても、キック数の多いチームが試合に勝っているとのことでした。

これはどういうことか。

雨の多いヨーロッパでは、ボールが滑りやすいため、パスを多用するよりも、キックでのテリトリー獲得が重要だと言われます。

ただし、キックをしても、カウンターでゲインを許したり、大きく蹴り返されていてはテリトリーは獲得できません。

キックをして、前で相手を止める。

つまりキックとタックルがセットになって、初めて意味のあるキックとなります。

チームAがキックをして、さらに良いタックルをして相手を止める、あるいはボールを奪い返せば、チームAはキック+1、チームBはキック0となる。

これの積み重ねが43本と35本という差に表れているのだと思います。

Tackle Pass knockon

スコットランドのタックルは、ほぼ90パーセント。

この試合唯一のトライも、スコットランドがキックしたボールを取り返してからの攻撃でした。

なお、驚いたのはKnock onです。

会場のトゥイッケナムはこの日も雨でした。お互い100回前後のパスをしながら、ボールを落としたのが0回。

キックは多いけれど、そうは感じさせないほど、アタッキングな試合である理由は、キック後の攻防が激しいことに加え、ハンドリングミスによるゲームの中断がない、ということも感じた試合でした。

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