記念となる試合 (HSBC SVNS 2025 バンクーバー大会2日目 ジャパン22-17 USA)

記念となる試合

コラム71

HSBCセブンズシリーズ初のベスト4入りを決めたこの一戦は、セブンズの魅力を伝える試合ともなった。スピード、展開の速さ、そして一瞬で形勢が逆転する面白さ。そのすべて詰まっていた。

USAのキックオフ。ジャパンがボールを確保する。USAのディフェンスは、ゆっくりと上がる。飛び出すのではなく、待ち構えてフィジカルの強さで守るスタイルだ。前半2分、ジャパンボールのスクラム。ボールを受けた11番内海が、ハードタックルを受けて落球。相手ボールのスクラムへと変わる。ここからUSAは展開し、アーリークロス(早めにクロスをして、ボールを受けた選手も外に走る)から、エースランナー、ラムジーが走り切ってトライ。

この試合、スクラムは日本が優勢。前半6分、プレッシャーをかけて、ボールを奪うと外へ展開。庵奥がキャリア初のトライ。キックも入って7-5でハーフタイム。

後半に入ると、日本の粘り強いディフェンスが続く。タックルしては立ち上がり、ボールが出る際には、全員が立っている。これを5フェイズ続けたが、ショートサイドの1対1で抜かれてトライを与える。続く3分、相手が自陣から蹴ったボールを、日本は捕球できず、ボールを奪われそのままトライ。7-17と差を広げられる。

試合時間残り90秒から展開が大きく変わる。きっかけはUSAの反則。速攻から岡本がトライ。12-17。残り45秒のキックオフをターンオーバーすると、左隅にキャプテン梶木がトライ。同点でタイムアップとなり、先に点を取った方が勝つゴールデンゴール方式の延長戦へ。

USAのキックオフ。日本が捕球すると、USAは序盤とは異なり、ボールを奪い返そうと一気に上がってくる。延長2分、USAが2連続の反則。日本は得意の速攻からゲインを重ね、最後は大学1年生の谷山が決勝トライを決めた。

この試合、私の娘も一緒にネット観戦。初めて最後まで見通した試合となった。それだけ面白い試合であり、日本が勝ったことで、俄然ラグビーに興味を持つようになった。我が家以外にも、同じような現象が起きているかもしれない。この試合をきっかけに、多くの女子小学生、中学生がサクラセブンズを目指すのでは、と感じるほどの好勝負だった。

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