今週末のズーム解説では、私は主にレフリングを担当。
そこで、この試合のレフリーの傾向をまずは大まかに紹介したい。
パスカル・ゴージエ氏、フランス出身の44歳。
2019年ワールドカップ、シックスネーションズ、フランストップ14で笛を吹く、世界のトップレフリーだ。
(図1)
図1は、反則全体における攻撃側に吹かれた割合である。これにより、大まかな傾向をつかむことができる。
いずれも直近のシーズンのデータ。スーパーラグビーは、アオテアロア、AU、トランスタスマンの合計である。
これを見ると、トップリーグはアタック側への反則が顕著に多いことが分かる。他のリーグは30%強とほぼ同じ。Gareze氏は30%である。
ちなみに、反則数全体では、トップリーグは1試合平均22回に対して、Gareze氏は26回と多い。アタック側に対しては両者とも8回ずつ。つまり、ディフェンスへの反則数がGareze氏は多いのだ。
ほとんどの選手がトップリーグでプレイしていた日本代表にとっては、レフリングの違いを感じることになるかもしれない。
(図2)
では、具体的にはどのような違いがあるのだろうか。
まず、傾向として見るのが、試合で最も頻繁に起こるブレイクダウンの反則だ。
しかし、トップリーグでは1試合平均11回に対して、Gareze氏は10回とほぼ変わらない。
その一方で、図2に示した反則では、違いが見られる。
スクラムとファールプレイが多いのが分かる。
次回は、さらにGareze氏の反則の特徴を追っていきたい。