(コラム44-1)健全なる睡眠不足

年始に風邪で体調を崩していた時は、1日10時間は寝ていた。1週間で回復し、仕事が再開すると、一気に睡眠時間は半分ほどになってしまった。今となっては、寝正月の退屈な日々が懐かしい。

現在、私は3つのラグビーチームで仕事をさせてもらっている。一つ目は、自分で立ち上げた大田区のアカデミー。2つ目は、横河武蔵野アトラスターズジュニアアカデミー。3つ目は、デフラグビー(聴覚障がい者ラグビー)だ。

肩書きはすべてヘッドコーチだが、チームの形態、所属選手、業務範囲は様々だ。

大田区アカデミーでは、9つの教室を運営している。親子で楽しむタグラグビーから、コンタクトのある中学生の教室まで年代は幅広い。現場での指導も行うが、コーチの採用、選手募集、保護者への連絡、大会やイベントの企画・運営、経理も担当している。ヘッドコーチというよりも経営者に近い。

アトラスターズアカデミーでは、男子中学生を主に担当している。こちらは、現場で指導をするのがメインの業務だ。アシスタントコーチやトレーナーの意見を取り入れながら、年間のプログラムを策定し、実施する。このチームは平日に練習をするだけで、試合は行わない。選手たちはラグビースクールや学校のラグビー部に所属しており、試合は週末にそちらで行う。私たちの役目は、彼らが試合で活躍できるように、技術を向上させることだ。このほか、小学生に英語でラグビーを教える教室も運営している。

デフラグビーでの役割は、先の2つとは大きく異なる。このチームは、頻繁に合宿や海外遠征を行っている。23年秋はフィジー、24年夏は南アフリカへ遠征した。その間に6回の国内合宿をしている。ヘッドコーチとしては、合宿や遠征でのスケジュール策定、選手選考、練習での指導、ミーティングの実施などを行う。

最近、事情があってチームディレクターも兼ねることになった。すると、合宿地の選定、道具や食事の手配、コーチやトレーナーの招集と謝金の支払い、なども加わる。

デフラグビーの国際大会は、現在7人制ラグビーが採用されている。私がこれまで親しんできた15人制とは大きく異なるので、専門のコーチを日本ラグビーフットボール協会より派遣してもらっている。トレーニングに関しても、専門のストレングス&コンディショニングコーチに委託している。できるだけ優秀な人に来てもらい、指導をお願いしているが、当然そのような人材は多忙だ。調整に時間がかかるのは仕方ない。

こういうわけで、睡眠時間は削られていくが、以前よりは健康的な生活になりつつある。デフラグビーだけでなく、2つのアカデミーでも多くのコーチに協力を依頼するようになったからだ。

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