ホームチームの勝率が良い、本当の理由 (1)

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ワールドデフラグビーのサイトより

ホームチームの勝率が良い、本当の理由(コラム48-1)

地元開催での日本代表の活躍

2026年の秋、デフラグビーのセブンズ世界大会が日本で開催されることが、昨年末に決まった。開催都市はまだ決まっていない。試合会場、宿泊場所などを考慮して、今後発表される。

昨日、ある打ち合わせで「絶対に東京でやった方がいい」という意見をもらった。「2025年には東京でデフリンピックがある。そこでデフスポーツを見た人たちが、1年後にたくさん応援に来てくれる」からだ。

デフラグビーの関係者の間でも「東京が良いのでは」と言う声がある。「選手の多くは、東京か関東に住んでいる。慣れた環境で過ごすのがホームアドバンテージとなるはず」

どちらも妥当な意見である。せっかくの日本開催なのだから、優位性を十分に活かし、好成績につなげたい。

過去の国際大会で、自国代表が好成績を収めた例は多い。日韓共催となった2002年のサッカーワールドカップでは、日本は史上初のベスト16、韓国はベスト4まで進んだ。2019年のラグビーワールドカップ日本大会では、史上初の決勝トーナメント進出を果たした。

オリンピックはどうだろうか。近年の日本選手団のメダル獲得数は以下のとおりである。2008年北京25個(金9、銀8、銅8)、2012年ロンドン38個(金7、銀14、銅17)、2016年リオデジャネイロ41個(金12、銀8、銅21)、2021年東京58個(金27、銀14、銅17)。

以前よりメダル数は増加傾向にあったが、東京では金メダルが27個と大きく増えた。ちなみに、2024年パリは、45個(金20、銀12、銅13)と金メダル数、総メダル数ともに減少した。

大規模な大会では、地元開催は明らかにアドバンテージがあるようだ。

デフラグビーセブンズ世界大会、過去の結果

ただし、デフラグビーに限定すると様相が異なる。

デフラグビーセブンズ第1回世界大会は2018年4月にオーストラリアで開催され、男子の優勝はウェールズ。準優勝はイングランド。ホストのオーストラリアは準々決勝敗退。(日本4位)

第2回は2023年4月のアルゼンチン大会。こちらも男子の優勝はウェールズ。準優勝がオーストラリア。ホスト国アルゼンチンは、準々決勝敗退。(日本7位)

ウェールズが2連覇中であるのは、選手層の厚さ、環境の良さから考えて不思議ではない。その一方、ホスト国が早い段階で敗退している点は注目すべきだ。

その要因としては推測されることは・・・、

・大規模な大会と異なり、デフラグビーでは選手が運営スタッフを兼ねることもある。地元開催の場合、業務が増えてコンディションが整わないのではないか。

・遠征してくるチームの選手たちは、1-2週間の休暇を取って大会に参加。大会期間中はラグビーに集中し、大会の前後は観光を楽しんだりする。ホスト国の選手は、休暇を取らずに大会に参加していて、集中できないのではないか。

上記の通りだとすれば、私たちがやるべきは次の2つだ。まず、選手がスタッフを兼ねることはできるだけ避けること。次に、開催都市に関しては、選手の居住地にこだわる必要はなく、大会に集中できるかどうかを最優先に考えることだろう。

他方、膨大なデータを元に「ホームアドバンテージと選手のコンディションは関係ない」とする報告もある。

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