押させないモール(ジャパンのモール対策:アイルランドvジャパンプレビュー)

今夜のアイルランドvジャパンに向けて、もう少しモールの勉強です。
(図1)
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図1は2019年ワールドカップの3試合と先週のB&Iライオンズ戦における、相手ラインアウトの数と、ラインアウト後にモールを組んだ回数です。

勝利した2戦は割合にして36%。敗退した過去2戦は、100%、67%となっております。今夜のアイルランドも、執拗にモールを組んでくると予想されます。

モールを組むメリットとは何か。

①相手のディフェンスを寄せることができる

②ペナルティを獲得しやすい

③(ゴール前であれば)トライを得やすい

これに加えて、フォワード戦で優位に立てるチームであれば、

④相手フォワードの体力を奪う

という狙いも考えられます。ジャパンに対しては、①から④全てをアイルランドは狙ってくると考えられます。

ただし、モールを組まれても押せなければ、この狙いは外れてしまいます。

(図2)

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こちらは、先週のB&Iライオンズ戦の最初のラインアウトです。

ライオンズは、ウィンピーの立つ位置を狙ってキャッチ。(ウィンピーは188センチと、このポジションにしては背の低い)。ウィンピーもジャンプするが、全く届いていません。

しかし、実際はウィンピーはきちんとリフトされておらず、コンテストしているふりに見えます。そして、ジャンパーを引き倒しています。

(図3)

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こちらは41分。ウィンピーは飛ばず、その代わりに、バックリフターに抱きつき、回しています。これにより、相手がモールを押すための姿勢を作らせていません。

図2も図3は反則に近いプレイですが、ギリギリのところで勝負していることが分かります。

(図4)

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最後は45分のモール。

ここでは、反応が遅れたウィンピーは相手に絡めず、がっちりと組まれ、トライに繋げられました。これで28-0。勝負を分けたプレイでした。

今夜の試合は、モールの本数とともに、押されない工夫に注目です。

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