(コラム40)会議いろいろ

私は会議が好きだ。昔は違ったが、好きになった。自分が仕切るようになったからだと思う。

出席する会議の規模も変わった。年とともに小規模になり、今や会議というよりも簡単な打ち合わせばかりだ。

中高一貫校で教員をしていた頃は、毎週月曜に職員会議があった。全教員が放課後に集まり、学校運営について話し合うので、出席者は70人以上いた。私はいつも英語のテストを持ち込み、採点をしていた。月曜日は特に忙しい。2時間も、自分に関係のないと思える話に付き合うわけにはいかなかった。

ラグビーチームのアナリスト時代、スタッフ会議がやはり週始めにあった。出席者は、コーチ、マネージャーなど20名程度。その週の動きを全体で確認するもので20分ほど。有意義だった。ただし、その後に続くコーチ会議は長かった。前の週の試合をどう振り返るか、1時間を超えて話し合う。最終的にはヘッドコーチが決めるのだが、もっと早く決めてくれと感じることが多かった。

現在の私は、NPO理事やコーチとの打ち合わせが多い。出席者は、多くて5名。運営や練習に関して30分、長くても60分以内に終わる。

今朝も打ち合わせがあった。NPO法人の理事長と、月に一度の定例会議。この1ヶ月に起きたことの報告や今後の予定、懸念事項などを話し合う。

事前にアジェンダをまとめておき、それに沿って説明する。理事長は即断即決。あるいはお互いにアイデアを出し合い、着地点を見出す。決められないものに関しては、持ち帰って検討する。雑談も含めて60分ちょうどで終了。

しかし、こうはうまくいかない会議もある。

同じように報告や提案をしているつもりだが、相手は疑問点ばかりを言ってきて、何も決まらない。時間ばかりが経過する。

自分の準備が悪いのかと思ったが、どうやらこれは相性の問題のようだ。

「選手やスタッフは4つのタイプに分けてマネジメントすると良い」

あるリーグワンのヘッドコーチから、そのように聞いたことがある。彼は、全選手、スタッフを4つのタイプに分けていた。後で調べてみると、これはビジネスコーチングにおいて一般的な考え方らしい。

  1. コントローラータイプ(トップダウン型リーダー、行動的・野心的な起業家、弱みを見せるのが苦手)
  1. プロモータータイプ(注目されたり、新しいことに挑戦するのが好き。社交的だが、人の話はあまり聞かない)
  1. サポータータイプ(人を援助することを好む、協調性はあるがリスクを嫌う、決断に時間がかかる)
  2. アナリストタイプ(行動より計画・分析の理論派、変化に弱い、感情表現が苦手、大人数も苦手)

もちろん全ての人がこの4つに分かれるわけではなく、どれも少しずつ混ざっている。

私自身は2が強い。ただし、1と4も入っている。スムーズな打ち合わせの相手は、1が多い。1と2は相性が良いのだ。

3のタイプは、即決を好まない。じっくりと話し合ったという実績を重視する。こちらはそれが理解できないので、嫌がらせかと勘違いしてしまう。

職業によってタイプが偏ることも多いようだ。学校の先生たちは、明らかに3が多い。毎日、子どもたちをサポートしているので、そのタイプに染まっていくとこうともあるだろう。理数系の先生には4もいた。でも、こちらも即断即決タイプではない。こうして会議は延びていく。

このタイプ分けを、教員時代は全く知らなかった。知っていればストレスは減っただろう。今も、この知識が頭から抜けている時は、うまくいかない。

次の会議からは、アジェンダにある出席者名の横に、こっそりタイプを書いておきたい。結論を急ぐ自分への戒めとなるはずだ。

人は皆、同じではない。会議もまた然り。

参考資料

タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく (Discover 鈴木義幸著)

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