23年10月7日、東京ガス大森グランドにて、東京ガスラグビー部協賛 第2回ラグビー分析講習会と第1回コーチングクリニックを開催しました。また、同会場にて「手話で楽しむラグビー教室」も同時開催しました。
(主催:NPO法人ピボットフット, 協賛:東京ガスラグビー部, 運営協力:大田区ラグビーフットボール協会, 日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟, 大田東京ラグビーアカデミー)
(小学生も飽きないように、クイズ形式でルールと戦術を説明。でも、やっぱり少し難しかったかな)
分析講座は、昨年に引き続き、親子参加型として開催。大人8名、小学生7名が参加してくれました。
まずはルール解説から。続いて、翌日の日本対アルゼンチンの話題へ。
「陣取り合戦」の観点から日本とアルゼンチンの戦術を分析し、観戦のポイントを提示。途中からは、分析というよりも「予想屋」でしたね。
会場からも質問が殺到して大いに盛り上がりました。
「予想屋」の出した観戦のポイントはこちらです。
続いて、グランドに移って、今度はラグビー体験会と指導者向けのクリニックを実施。
こちらは初めての試みでした。
指導者の数が少なくても、未経験の子どもたちに対する、効果的な指導ポイントを共有する、というのが主旨です。翌日のアルゼンチン戦に勝てば、4年前のようにラグビーブームが起きて、スクールに入会希望者が殺到するかもしれない。その機会を逃さないようにしましょうとの呼びかけに、コーチ5人が参加してくれました。
(クリニックには、小学生13人、幼児3人が選手役として参加してくれました)
最初に、この趣旨を説明し、対象である幼児、児童期前期の子どもたちの特徴を説明しました。
簡単に言うと、この時期の子どもたちは、
「末端の細かい動きは苦手だが、全身で動き回るのが大好き。説明を聞くより、何でも自分がやりたい。男女差は小さい。」
こうした特徴を活かしたドリルを準備すれば、子どもたちは勝手に練習して上達する。
こうした指導の利点として、次のことが考えられます。
・お手本は不要なので、指導者に選手経験がなくても良い。
・説明もわずかで済むので、指導経験が少なくても良い。コーチ間の指導法のばらつきも解消される。
・指導者の人数が少なくても安全に指導ができるので、多くの未経験者を受け入れられる。
最後に、こうした指導ドリルを考案する際に、私が注意する点として、次の4つ挙げました。
・競争や勝負の要素はあるか(チームメイトとの競争、コーチとの競争、時間との競争など)
・結果がすぐに分かるか、成功か失敗かが分かりやすいか
・動き回ることができるか、待ち時間が多くならないか
・発達が早い子も遅い子も、楽しむことができるか
続いて、子どもたちへ指導に移りました。
一般的な指導と異なり、状況を作ったら、あと主にやることは「子どもを褒めるだけ」です。すぐに上手になるわけではないですが、子どもたちはずっと体を動かし続けます。
参加者のコーチから、次のようなコメントをいただきました。
「ゲーム形式で競争心をかき立てる、チーム対抗にして仲間と共にたたかう、勝って喜んで負けてもまた次と思ってもらう、等々、昨日も実践されてましたがとても大事ですね」
「教えない、教えすぎないことについて、ずっとそう思っていたことが柴谷さんにご支持頂いて自信が付きました」
「環境設定→子どもたちが勝手に動いて変わっていく」という思想がグランド上で見ていてしっかりと感じられました。細かく教え込まなくても自分で試行錯誤して子どもができるようになっていくという気づきを改めてもらえました。
「何より、このタイミングで普及観点での課題感をもってこのクリニックを開催したところに非常に感銘を受けました。4年前には受け入れきれず逃してしまったかもしれない原石たちを、今回は逃さないためにというラグビー界全体を見ての視座の高いところからの実際のアクションでした」
参加者の皆さん、どうもありがとうございました。